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ペット撮影カメラマンの犬写真&フリーペーパー「犬の写真集」

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犬から見た世界 その目で耳で鼻で感じていること

犬から見た世界―その目で耳で鼻で感じていること

アレクサンドラ ホロウィッツ / 白揚社

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犬や猫はペットとしての年月が長く、擬人化されて表現されることが多い。そこでは無意識のうちに、彼らが世界を人間と同じように認識しているが、認識の内容も深さも、人間よりも劣る存在として語られる。

はたして本当にそうだろうか。

犬は人間よりもはるかに優れた嗅覚をもち、においからありとあらゆる情報をかぎ取ることができる。犬は、においから、それを残したものを個別に特定することも、においが残されてから経過した時間も認識できる。

匂いは情報である。電柱などに残されたマーキングは、彼らのブルティンボードだ。ある犬が発見したこと、達成したこと、気をつけるべきことなどなどの情報が満載されている。気がつかないのは犬の飼い主だけだ。

また、世界には、風の匂い、雨のにおい、土のにおい、植物や動物の匂い、今日だけでなく、昨日のにおい、1年前のにおいと、かぐわしい情報であふれている。犬はうっとりとして、世界をかぐ。人間には感じられない豊かな世界のにおいを。

犬から見たら、人間は、情報を取得するのに視覚というただ1種類の手段しか持たない、哀れな存在であるかもしれない。


japan.internet.com 内「IT の耳」編集チームによる書評。
by dog-2photo | 2012-05-17 18:14 | 犬のあれこれ